Excel 2003とExcel 2007で、並べ替えの速度を比較してみました。
セル範囲A1:A60000にランダムな数値を入力し、この範囲を並べ替えます。
並べ替えのコードは、マクロ記録で生成されたコードを使いました。
まず、Excel 2003の結果からご覧ください。
マクロ記録で生成されるコードは、決して最適化されていません。指定しなくてもいいプロパティなども律儀に規定値を指定したりしますので、不要な部分を削ったコードでもう一度やってみました。
あまり変わりませんね。差は誤差の範囲でしょう。
さて、同じように60000個の数値をExcel 2007で並べ替えてみます。こちらも最初は、マクロ記録で生成されたコードを使います。
なお、見ていただくとわかりますが、並べ替えに関するオブジェクトはExcel 2007で新しくなっています。
Excel 2003に比べて6割ほど遅くなったでしょうか。
こちらも、マクロ記録で生成されたコードから不要部分をカットしてみましょう。
気落ち速くなりましたかね。まぁ、ほとんど差はないと見ていいでしょう。
続いてもう一つ確認です。
Excel 2007では、このように新しいオブジェクトなどが新設されていますが、Excel 2003までの古いオブジェクトもそのまま使えるようになっています。つまり、Excel 2003で実行したコードは、Excel 2007でも同じように動作するはずなんです。上記のうち、Excel 2003で検証したコード「Sub Macro2 (シンプルにしたコード)」を、そのままExcel 2007で実行してみましょう。こちらは、結果だけお見せします。
一番遅い結果となりましたね。
以上の検証から次のことがわかりました。
並べ替えの動作検証だけでは何とも言えませんが、Excel 2007のマクロで速度を気にするなら、Excel 2007用の新しいオブジェクトを使えってことでしょうか。引き続き、いろんな動作で速度を検証してみようと思います。
セル範囲A1:A60000にランダムな数値を入力し、この範囲を並べ替えます。
並べ替えのコードは、マクロ記録で生成されたコードを使いました。
まず、Excel 2003の結果からご覧ください。
Sub Macro1() ''マクロ記録で生成されたままのコード
Dim i As Long, j As Long
Dim Start As Long, Finish As Long
Application.ScreenUpdating = False
''60000個の乱数を入力
For i = 1 To 10
For j = 1 To 60000
Randomize
Cells(j, 1) = Int(Rnd() * 1000000)
Next j
Start = GetTickCount()
''マクロ記録で生成されたコード(ここから)
Range("A1:A60000").Sort Key1:=Range("A1"), Order1:=xlAscending, _
Header:=xlGuess, OrderCustom:=1, MatchCase:=False, _
Orientation:=xlTopToBottom, SortMethod:=xlPinYin, _
DataOption1:=xlSortNormal
''マクロ記録で生成されたコード(ここまで)
Finish = GetTickCount()
Debug.Print (Finish - Start) / 1000 & "秒"
Next i
Application.ScreenUpdating = True
End Sub
|
マクロ記録で生成されるコードは、決して最適化されていません。指定しなくてもいいプロパティなども律儀に規定値を指定したりしますので、不要な部分を削ったコードでもう一度やってみました。
Sub Macro2() ''シンプルにしたコード
Dim i As Long, j As Long
Dim Start As Long, Finish As Long
Application.ScreenUpdating = False
''60000個の乱数を入力
For i = 1 To 10
For j = 1 To 60000
Randomize
Cells(j, 1) = Int(Rnd() * 1000000)
Next j
Start = GetTickCount()
Range("A1:A60000").Sort Key1:=Range("A1")
Finish = GetTickCount()
Debug.Print (Finish - Start) / 1000 & "秒"
Next i
Application.ScreenUpdating = True
End Sub
|
あまり変わりませんね。差は誤差の範囲でしょう。
さて、同じように60000個の数値をExcel 2007で並べ替えてみます。こちらも最初は、マクロ記録で生成されたコードを使います。
なお、見ていただくとわかりますが、並べ替えに関するオブジェクトはExcel 2007で新しくなっています。
Sub Macro3() ''マクロ記録されたままのコード
Dim i As Long, j As Long
Dim Start As Long, Finish As Long
Application.ScreenUpdating = False
''60000個の乱数を入力
For i = 1 To 10
For j = 1 To 60000
Randomize
Cells(j, 1) = Int(Rnd() * 1000000)
Next j
Start = GetTickCount()
''マクロ記録で生成されたコード(ここから)
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort.SortFields.Clear
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort.SortFields.Add _
Key:=Range("A1"), SortOn:=xlSortOnValues, _
Order:=xlAscending, DataOption:=xlSortNormal
With ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort
.SetRange Range("A1:A60000")
.Header = xlNo
.MatchCase = False
.Orientation = xlTopToBottom
.SortMethod = xlPinYin
.Apply
End With
''マクロ記録で生成されたコード(ここまで)
Finish = GetTickCount()
Debug.Print (Finish - Start) / 1000 & "秒"
Next i
Application.ScreenUpdating = True
End Sub
|
Excel 2003に比べて6割ほど遅くなったでしょうか。
こちらも、マクロ記録で生成されたコードから不要部分をカットしてみましょう。
Sub Macro2() ''シンプルにしたコード
Dim i As Long, j As Long
Dim Start As Long, Finish As Long
Application.ScreenUpdating = False
''60000個の乱数を入力
For i = 1 To 10
For j = 1 To 60000
Randomize
Cells(j, 1) = Int(Rnd() * 1000000)
Next j
Start = GetTickCount()
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort.SortFields.Clear
ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort.SortFields.Add _
Key:=Range("A1")
With ActiveWorkbook.Worksheets("Sheet1").Sort
.SetRange Range("A1:A60000")
.Apply
End With
Finish = GetTickCount()
Debug.Print (Finish - Start) / 1000 & "秒"
Next i
Application.ScreenUpdating = True
End Sub
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気落ち速くなりましたかね。まぁ、ほとんど差はないと見ていいでしょう。
続いてもう一つ確認です。
Excel 2007では、このように新しいオブジェクトなどが新設されていますが、Excel 2003までの古いオブジェクトもそのまま使えるようになっています。つまり、Excel 2003で実行したコードは、Excel 2007でも同じように動作するはずなんです。上記のうち、Excel 2003で検証したコード「Sub Macro2 (シンプルにしたコード)」を、そのままExcel 2007で実行してみましょう。こちらは、結果だけお見せします。
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一番遅い結果となりましたね。
以上の検証から次のことがわかりました。
・Excel 2007では"並べ替え"のオブジェクトが新しくなった
・"並べ替え"の動作は、Excel 2003より遅くなった
・古いオブジェクトをExcel 2007で使うと遅くなった
並べ替えの動作検証だけでは何とも言えませんが、Excel 2007のマクロで速度を気にするなら、Excel 2007用の新しいオブジェクトを使えってことでしょうか。引き続き、いろんな動作で速度を検証してみようと思います。